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43、悪魔の囁き                 ‐爛
 やっぱり無謀だったかもしれない、とあたしは思った。
 今、あたしは壁の向こうから降ろされた綱を頼りに、灰色の壁を登っていた。もちろん、傷ひとつ無い壁につかむところも足を乗せるところもあるわけない。だけどあたしは作戦上こうしなくてはいけないし、これは事実上、自業自得だ。今思えば、少しだけ自分を過信していたかもしれない。だけど、自分でこう作戦を練ったんだから、あたしが頑張らないと。少しずつ、少しずつ上へ登る。人々の悲鳴に気が散らされそうだ。ううん、落ち着いて、とあたしは自分に言い聞かせた。
『高くて怖い所では、絶対に下を見るな。』
鳶の言葉が頭に響く。もちろん大丈夫よ、とそのときは軽く言ってしまったけど、今はものすごくきつい。下なんて向ける気はしないが、手を離してしまえば生きてはいられない高さまで来ていることは確かだ。
 ・・・なんで、こんなに頑張らなければいけないの。
 そんな悪魔の囁きが聞こえた気がして、あたしは固く目を閉じた。心の中で、呟く。
 ・・・紅き者として、仲間を守るために決まってるじゃない。
 あたしはそっと目を開けて、少し遅れてしまったことを挽回するように進む。だんだんと、壁と空の境が近づく。もう少し、あともう少し・・・。
 いきなり視界が開けた。
「・・・綺麗」
ぽつりと呟いた言葉とは裏腹に、目の前の景色は悲惨だった。
 あかあかと燃える炎。焼ける家、木々。怯え、叫ぶ人々。なかにはあたしたちの矢に当たったのだろう、血を流している人もいる。塔は中の人々があまりのことに駆け回っているのか、かすかに揺れている。悲鳴は、途絶えることなく耳に届いた。子供の泣き声もする。
 なぜだろう。こんな残酷で、無慈悲で、恐ろしい光景なのに、美しく、魅了される。
 ・・・狂ってる。
 また悪魔の囁きが聞こえて、あたしは我に返った。そうだ、こんなところで見とれている場合じゃない。あたしは・・・。
「・・・あたしは狂ってなんかいない。」
絶対に。そう思いながら、壁の上に立つ。ずいぶんと厚い壁だから、余裕で立てる。あたしはそれから、腰に差してきた真剣で今まで登って来た綱を切った。太いから手間取ったけれど、切れたから安心した。ただ、なんとなく、綱が落ちるところは見ることが出来なかった。
「・・・爛様」
聞いたことのある声がした。あたしがそっちを見ると、そこには赤目とともに道の里の中に送り込んだ朱鷺がいた。
「・・・我の準備は完了した。」
あたしはあたりを見渡してから、頷いた。
「・・・作戦の最終段階を、始めましょう。」
悪魔の囁きは、もう聞こえない。







こんにちは、みなみですっ!夏休みでの更新一回目ですww
でも今年の夏は忙しい気もするし節電もあるので更新回数が増えるかどうかは分かりません←
というか・・・宿題の読書感想文やらなんやら書けるかと不安中(・_・;)
なんか最近の気分は、『小説・物語しか書けない(泣)』な気がします。どうしよう・・・。
ちなみに他の宿題のことは忘れてください
・・・が、頑張りますっ(-_-;)←





コメント返信>
Aspecchi様>
 ↑に書いた通り、ゆっくりできるか疑問形です(^_^;)
 ただ、大体の予定(部活・帰省・課外)は平日なので土日は休み満喫できそうですww
 
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2011.07.23 Sat l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (1) トラックバック (0) l top
42、池と小川                 ‐翠・美陽
「ほら翠ちゃん、ここが『池』と『小川』よ。」
藺草の言葉に、私はその場所をじっと見つめた。
 池は、透き通った水が溜まっている所で、きらきらと光が反射していた。蒼の森で見た泉に似ているけど、水が湧き出ていない。一方、小川は前に見たことがあった。ハルさんたちと旅をしていたとき、まるで道のように水が流れていたのだ。その時ハルさんが教えてくれた。『あれは川、もっと小さいのは小川というんだよ。』って。
「相変わらずだな・・・少し、小さくなったけど」
「それは湊くんが卒業してから全然学校来なかったからでしょ?・・・って、ごめん」
いいよ、という湊に、私は聞いた。
「・・・小さくなったって、この・・・池?って、小さくなるの?」
「え?ああ、違うよ。それは・・・」
湊の言葉は最後まで続かなかった。なぜなら、遠くから「おーい!」という声がしたからだ。
「・・・あれっ?!忍、今何の刻っ?!」
慌てた様子の藺草に対して、忍は落ち着いた様子で目を閉じ、開きながら小さく呟いた。
「17の刻の半々刻と五半刻と刻分の弐」
「えっと・・・あぁ、17の刻の22分ね。って遅れちゃったってこと?うぅ・・・。」
落ち込む藺草に私は戸惑った。
「えっと、藺草、どうしたの?それに、なんで忍は・・・」
「えっとね、子供たちが遊び始めるのが17の刻の20分なの。その時には校庭にいなきゃいけないんだけど・・・。まぁ、あいつがどうにかしてくれてるでしょ。あと、忍の時刻の表現方法は気にしないで。私達には分かりにくいけど、忍には分かりやすいから。」
藺草の答えは半分しか合っていなかったから聞き直そうとしたが、その前に後ろから聞こえたいくつもの足音で全てかき消された。振り向くと、10人以上の子供たちが走って来た。
「藺草ぁ!こんなとこにいたの?」「ずっと探してたんだよ」「みんなぁ、藺草、池にいたよ~っ!」
子供たちが、口々に言う。藺草は笑って、群がる子供たちに囲まれている。・・・と、私は何人かの子が私を見ていることに気付いた。その子たちの一人が、おずおずと寄ってくる。
「・・・お姉ちゃん、綺麗な眼、してるね。」
「あっ・・・、ありがとう。」
私が戸惑いつつ、でも微笑んで言うと、その子もぱぁっと笑った。
「あのね、わたしね、瑠璃、って言うの。九歳だよ。・・・お姉ちゃんは?遊びの先生?」
「わ、私は翠。十五歳なんだ。今度から、遊びの先生として・・・」
「やったぁ!!」
急に瑠璃が大きい声を出したのでびくっ、としたが、瑠璃が嬉しそうに続けた。
「じゃあお姉ちゃん、一緒に遊ぼう!!」
私は笑って、うん、と頷いた。







こんにちは、みなみですっ!今日は小説書けましたwww
でも暑いですね~。熱中症には気を付けたいですね(・_・;)
あっ、今回の忍の言葉が分かりにくいので一応解説すると
 半々刻・・・15分
 五半刻・・・5分
 刻分の弐・・・2分
で、計22分となります。多分後々物語内で説明的なのが入ると思うんですが、忘れっぽいので書いときます←
ではまた来週!!(たぶん




コメント返信>
Aspecchi様>
 そうですよねっ。まぁ、時々授業中に書きたくなって困りますが(^_^;)
 蚊が・・・状況的に私の登下校時か部活関係で遠出したときに靴下の上から刺されたと思うんですよね・・・。八か所のは大方直りましたが、また一か所増えてかゆいです(泣

kanayano様>
 そうですね~。けっこう家族や友達には恵まれているんですよね・・・。多分。
 むしろ自省だけで生きてる気がしますが(おい)、そうですよね・・・美陽、いや翠も変わろうと頑張ってますもんね・・・(遠い目
 やらない後悔がきついのは経験的に知ってるんですが・・・やる勇気が・・・湧いてきません・・・(-_-;)
 あっ、ありがとうございますっ。応援にこたえて、頑張・・・れるといいなぁ(・・;)←
2011.07.16 Sat l 紅滄 ~滄ノ運命~ l コメント (1) トラックバック (0) l top
こんにちはみなみです。暑いです。
暑いせいか小説の続きがうまく書けないという悲劇。って訳で今こうしてるのです。
・・・と言っても書くことは無いんですが(爆
まぁ、何かいろいろ書きます。ご了承ください(笑)

そういえば、期末テストが返ってきました~。
数学で中間よりいい点数とれたので良かったですが、実技はもっと頑張ろうと思いました。はい。
あっ、あと、数ヶ月前に漢検三級の試験受けたんですが無事合格してましたwww嬉しかったですww
今度は準二級目指します!!

高校に入ってから、私はあるシリーズにハマってます。
高里椎奈さんの『フェンネル大陸偽王伝』『フェンネル大陸真勇伝』ですっ!
フェンという、少々(?)王女らしくない、しかも軍隊を率いている少女の話ですww王道ファンタジーですww
まあ、ぶっちゃけサブキャラの方が好きだったりしますがww←←
私はなんとなく、シリーズ本は一冊ずつ借りるようにしているのですが、今週借りる最終巻、来週借りる(借りられたらですが)番外編で、終わりなんです・・・(-_-;)
物語はいつかは終わりますけど・・・物語の先にも描かれない話はありますけど・・・やっぱり淋しいです。
私は今まで数多く本を読みましたが、読み終わった後には、満足感と、少しのけだるさと、少しの淋しさを感じることが多いです。
ただし異常にテンションがおかしいときには、「わぁもうそっちの世界に行かせろコノヤローっ!!」ってなりますけどね(・_・;)

・・・暑っ・・・。やばいこの部屋何℃だろう・・・(^_^;)
暑いと言えば・・・私昨日やけに両足がかゆかったので、蚊に刺された跡を数えてみたら計八か所ありました・・・。道理で・・・。でも私O型じゃないのに・・・(泣)


実を言うと、コミュニケーションが苦手なみなみです。
一番一緒にいて気楽(たぶん)なのは家族と仲の良い友達ですが、1人でいた方が気楽だったりします。そのくせ1人だと怖かったり、寂しかったりするので最悪です。


話しても話さなくても、残るのは後悔。
どうして、言っちゃったんだろう。どうして、何も言えなかったんだろう。
どちらが悔いに残る?どちらが取り返しがつかない?
行動するのもしないのも怖くて、たった一歩が震えて。
口ずさむ歌に、強がりな自分を詰め込んだ。
何処か昔の自分と重なるようで、重ならないようで。
懺悔の声はどこかへと消えた。


紅滄は、全部で四章に分かれています。今の~紅ノ運命~と~滄ノ運命~は二つで~違う運命~(たがうさだめ)という一つの章となります。で、この~違う運命~が第二章、ちょうど『起承転結』の『承』にあたります。
紅滄は、けっこういろいろ謎やらなんやらをばらまいてしまっているのですが、行き当たりばったりで書いちゃっているので後付けの謎も多々あります(おい
しかも、それがこの~違う運命~で多いという事実ww←
まぁ、頑張って拾い集めながら、爛と美陽、いや翠のふたりの物語を紡いでいきたいと思います。

今日なんかぐだぐだでしたすみません<(_ _)>





コメント返信>
Aspecchi様>
 いつもコメントありがとうございますっ!!
 学業優先ですか・・・そうですよね・・・学生の本分は学業ですもんね・・・。(・・;)
 テスト頑張ります!実はテストの日部活の関係で受けられなかったので今週放課後にやるんです・・・。(泣
 小説・・・今日書けなくてすみませんっ。頑張りますっ!
2011.07.10 Sun l 日記 l コメント (2) トラックバック (0) l top
41、燃える水                 ‐爛
 閉じた壁の中から、くぐもったざわめきが聞こえた。おそらく、外にいる敵から逃れられた安堵か、まだ消えていない火に対しての声を誰もが発しているのだろう。だけどあたしはそんな声なんかどうでもいい。いずれここで消える命だ。今更声を聴いて何になる?それより、とあたしはさっきから見つめていた里長の塔のてっぺんに意識を戻した。そう早く準備が整うなんて、あたしは思ってない。・・・思ってない筈なのに、心のどこかが焦っている。はやく、はやくと。だけどこれは少し違うかもしれない。なんて言うか、待ち望んでいたものが、もうすぐ手に入る時のような・・・?
「・・・待ち望む?」
あたしが呟いたちょうどそのとき、塔のてっぺんに何か旗が揚がった。それと同時に、また地鳴りがした。ただし、今回は地面から出てきたものは見えなかったが、何なのかは分かっている。・・・見張り台だ。一番丈夫な木でできた、単純でしっかりとした造りのもののはずだ。地図に、載っている限りは。
 見張り台が出てくる音と同時に、聞こえてきた声があった。何故聞こえたのかというと、ほとんどの人が同じようなことを言ったということと、その言葉を、あたし自身が楽しみにしていたからだ。
 そう、「何故水をかけると火の勢いが増すんだ」と。
「・・・全く、なにが『開かれた里』?蝋燭草の効果も知らないなんて・・・」
あたしはそう言って、道の里を嗤った。あたし自身、その効果を少し前まで知らなかったという事実には目をそむけておく。どっちにしろ、これだけの人の中で知っている人がいなかったのだから、変わりはない。
 蝋燭草は、よく燃える草だ。火をつければ燃え、火の中に投げ込めば火の勢いが増す。だけど、それだけじゃない。蝋燭草はもう一つ、特異な性質を持っている。・・・蝋燭草を浸した水は、蝋燭草と同じ性質を持つのだ。すなわち、『燃える水』と化す。
「・・・さすが赤目。隠密にかけては一番、って嘘じゃなかったのね。」
あたしは今回の最大功労者の顔を思い浮かべて微笑んだ。赤目は男4人の中で最も小柄で華奢だけど、その分どこかに潜り込んだり、見つけだしたり、紛れ込んだり、逃げ出したりするのは得意らしい。それを信頼して、道の里の井戸や樽の中に蝋燭草を浸す役目を託したのは正解だったようだ。彼は今も、この壁の向こうにいるはずだ。ふと、あたしは作戦を説明した時の赤目の言葉を思い出した。
『僕の逃げ道は考えなくていい。』
赤目がどうやって逃げる気かは知らないけど、あたしは少しだけ、作戦の重みから解放されたのを覚えている。もちろん、赤目が失敗すれば逆に悔いることになるけれど。でも、きっとそれは無い。なぜならば、赤目の方がそういうことに関して優れてるし、自分で言ったんだから。
 ざわめきがだんだんと大きくなる。悲鳴も増え始める。全てが混乱し始めているであろう、壁の向こうの世界。
 不意に、壁の向こうから綱が下ろされた。あたしは自分を叱った。馬鹿、集中しなきゃ。あたしがみんなを守るんだ。あたしがしっかりしないで、どうしてそれが叶う?あたしが作戦通りにしないで、どうして道の里を滅ぼせるって言うの?
 あたしは、綱をつかんだ。







こんにちは、みなみです~っ!更新遅くてすみません・・・(-_-;)
先週は期末テストがあったんです。そして今週末にも別のテストがあr(泣
あと何か蝋燭草が若干万能すぎた気がしますごめんなさい無計画にもほどがありました(爆
でも、これからも頑張りたいと思いますっ!!←




コメント返信>
Aspecchi様>
 そうなんですかっ!?全く知りませんでs(爆
 ↑ごめんなさい無知でほんとごめんなさい
 今後ぜひ参考にしたいと思いますっ!あ~、でも私、実はまだ完結した物語がほとんどないので(むしろ無い気が・・・)、「紅滄」はとりあえず量とか構わず完結させてもいいかな、と思います(^_^;)
 とても参考になりました!!ありがとうございますっ!!
2011.07.03 Sun l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (1) トラックバック (0) l top
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