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51、未来と運命                 ‐爛
 ビュンッ!と一斉に風を切る音がした。火が燃え広がり、人々の泣き叫ぶ声が聞こえる。もう蝋燭草はほとんど残ってはいないが、木でできた矢はそれ自体が炎と化して里を襲う。
「……それが、あなたの答えなのね。」
預言者が、落ち着いた声で言った。里がこんなに無残な姿になっているのに、どうしてこんなに冷静でいられるのだろう?動揺を隠しているのだろうか、それとも、……未来を夢見ていたのか。
「それならば、やはりあなたに未来は変えられない。」
「……どういうこと?」
「……未来というものは、あまりに不確実で、儚いもの。」
預言者は、真っ直ぐに、臆することなくあたしを見つめていた。
「だからわたしたち預言者が見るものは、あくまで預言であって明日ではない。わたしがあなたに伝えた未来も。」
現実になるとは限らない。あたしは、預言者が何を言いたいのか、よく分からなかった。美陽を殺せない未来があるとでも言うの?美陽との約束を果たせない未来が、あるとでも、言っているの?
「……もしあなたに未来を変えたいという意思があるのなら、変わるかもしれない。けれど、あなたが今のまま生きていくというのなら、未来は絶対となる。」
預言者は、あたしを諭すように言った。そんな預言者を、あたしは真っ直ぐ、見つめ返す。
「……変える必要なんてない。あたしが望んだのは、この未来よ。……約束を、果たせる、この未来。」
「たとえ遠い未来で、後悔しても?」
あたしは、頷いた。
「……ならば、わたしが言うことはもうない。茨の道であってもそれはあなたの道。逃げずに進んでゆけば、きっといつか運命は、未来は、あるべき方へと回ってゆくでしょう。」
「なぜ?」
あたしの声に、預言者は戸惑ったような顔をする。あたしはそのまま続けた。
「なぜ、そんなに平然としていられるの?それに、なぜあたしに、そんなことを話すの?」
預言者は、かすかに微笑んだ。……あたしの中で、その笑顔がやけに引っかかった。
「『預言者がいる限り、里は滅びない』という言葉を知っているでしょう?預言者がいる限り、この道の里は滅びない。現にあなたの里も、預言者がいたから滅びなかったはず。」
「死なないとでも?」
嗤いながら問うあたしに、まさか、と預言者は自嘲的な笑みを返した。いつのまにか悲鳴は途絶え、塔も燃え崩れていている。おそらく、もう預言者以外は。
「……わたしは、あなたを運命から救いたかったの。同じ様に運命に縛られた、預言者の神無月として。」
風に乗ったように声が届いた。はっ、として見ると、そこにもう預言者の姿はなかった。
 なら、あたしが運命から救ってあげる。
 あたしは矢を番え、放った。さっきまで、預言者がいた場所に。音は、火の音にかき消された。
 あたしの矢は、彼女に、彼女を縛る何かに届いただろうか。








こんにちは、みなみですっ!サンタさんは来ませんでした(^_^;)
まぁ、もう、高校生ですからね。はい。←←
そろそろ道の里編(?)が終わりそうですwww
もう前回で50話(?)でしたが何話まで行くのか……ある意味楽しみですww
ではまた今度!
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2011.12.26 Mon l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (1) トラックバック (0) l top
50、握られた手                 ‐翠・美陽
「……お姉ちゃん、大丈夫?」
その声には聞き覚えがあった。ゆっくりと、握られた手を見る。その手は、とても小さい。
「……瑠璃、ちゃん」
呟いてからまたゆっくりと顔を動かすと、そこには泣きそうな、でも無理やり笑っている瑠璃の顔があった。瑠璃はまた、手をぎゅっと握り直した。
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。瑠璃が、ここにいるからね。みんな、一緒にいるからね。」
みんな、一緒にいる。
「……そうよ、翠。あたしもいるし忍もいるし、湊くんやあいつ……葵くんだっているわ。だから大丈夫。翠が自分を見失っても、あたしたちがいるから。」
『……美陽……』
震えた藺草の声が、一瞬、爛と重なった。
 ……受け入れなきゃいけない。私は、『滄き女神』を、『翠』を、……新しい自分を。
 約束を、親友として、果たすために。
「……うん。そう、だよね。」
かすかに微笑んだ私に、瑠璃が思い切り抱きついてきた。戸惑いながら、瑠璃の頭を撫でる。
 ……私の、そばにいてくれる人がいる。そばにいてくれた人がいる。
 だから私は。
「ほーら、翠に瑠璃ちゃん。そういうのは水出てからにしなさい。風邪引くわよ。」
藺草に注意されて、私と瑠璃は水から出た。とたんに、少し残っていた混乱もすっかり治った。でも風が吹くと、思わず体が震える。そういえば、と私は疑問に思っていたことを口にした。
「……水に入ったら、服が濡れちゃうけど、どうするの?」
「今更気付いた?」
待ってました、というより待ちくたびれたような藺草の言葉に、思わず目を逸らす。
「この里の服はね、実は濡れても数分で乾く優れ物なの。すぐ乾いてほしいときは服を絞ればもっと早く乾くし。ほら、やってみて。」
言われて通りに服を絞ると、どこにあったのかと思うぐらいたくさんの水が出てきた。するとだんだんと、体の震えも治まってきた。
「……すごいね、これ。」
「でしょう?あ、でもこれから洗濯しに行くよ。大丈夫、洗濯してもすぐ乾くから!みんなもそろそろ洗濯しに行くよっ!」
えーっ!?と声が上がる中、瑠璃はにこっと笑って私の手を握った。さっきとは違う、心からの笑顔。
「ありがとう、瑠璃ちゃん。」
私の言葉に、瑠璃はうん、と頷いた。
「忍、全員いる?……よぉし、じゃあ帰る前に洗濯しに行くわよっ!」
私たちは、水を後にした。







こんにちはっ、今週も書けましたみなみですっ!!
もうだいぶ寒くなってきましたね~。天気予報で雪だるまもよく見かけますし。
しかし私の住む所には雪だるまはいないようです
……さて、作中でたびたび出てくる万能品。今回の服もけっこう万能ですねww
無理やりすぎて気になりましたらすみません<(_ _)>
ちなみに期末テスト全体で見てみたら、文系科目・理系科目の差が歴然となりました。怖いですね。
まぁ来週からは冬休みなので、来週も書きたい、と思います!では!







コメント返信>
Asrecchi様>
ありがとうございます!大変と言えば大変ですが数学よりは大変ではないです(^_^;)←
いつか週刊誌に連載できたら……妄想想像しながら頑張りますww
やばいですよね……。でも今回のテストは難しかったようで赤点の人が多かったみたいです。
私の場合はケアレスミスとかあったのでそういうところを改善していきたいです。
2011.12.17 Sat l 紅滄 ~滄ノ運命~ l コメント (0) トラックバック (0) l top
49、預言                 ‐爛
「神無(かんな)、お前さん、何を……」
「長様、どうか。」
少女の言葉に、長は顔をしかめたまま一歩さがった。代わりに、少女が一歩踏み出す。
「紅き者、お願い。話をさせて。」
そう言われて、あたしは仕方なく弓を下ろした。邪魔されたのは嫌だったけど、少女には有無を言わさない、それでいて穏やかな力があった。
「ありがとう、紅き者。わたしはこの里の預言者、神無月。今日、あなたの夢を見たの。」
「……預言者?あたしの夢?」
何を言っているんだろう。預言者なんて、聞いたことが無い。それに、あたしの夢?何故あたしが、初めて会った人の夢に出てくるの?
「そう、預言者。未来を夢見る者。あなたの里にもいるでしょう?」
あたしの困惑をよそに、少女――預言者の神無月は勝手に話を進めた。
「そして、あなたが疑問に思った通り、本来預言者は、自分の里の民の夢だけを見る。だからわたしにも、なぜ、あなたの夢を見たのか分からない。でも、見た以上、わたしはあなたの夢を伝えなければならない。」
分かった?と尋ねられ、一応頷いておいた。本当はよく分からなかったけれど、あたしに夢の内容を、おそらく未来を伝えてくれるということは分かった。だって、『未来を夢見る者』なんだから。
「では、落ち着いて聞いて。……紅き者、あなたは近い未来、大切な人を失います。」
美陽だ。瞬間的に思った。でも念のため、聞いておいた。
「……その人は、どんな人?」
「正確には述べられない。でも、優しく、おおらかで、生まれた時からそばにいて、共に笑ってくれた人。」
やっぱり美陽だ。あたしはそう確信した。美陽は馬鹿みたいに優しい。それに、前に大巫女おばば様はあたしと美陽の生まれた日が同じ、と言っていたからずっとそばにいたようなものだ。もっとも、『大切な人』というのは違う気がしたが、ある意味ではそうだからまあ仕方がない。なぜなら、美陽が死んでしまっては、約束を果たせないから。そして……。あたしはかすかに嗤う。
 美陽を失うということは、美陽を殺すことが叶うということだ。
「非情なのね。」
預言者の声にあたしはイラついた。なぜ?裏切り者を殺すことが、そんなにいけないこと?
「大切な人よ?そう、たとえば、あなたの仲間……」
「あの子は仲間じゃない。あんな裏切り者は、殺されて当然よ。」
大切な人。確かに仲間は、ここにいる仲間や里の民は大切だ。でも美陽は違う。そういう意味の『大切』じゃない。あたしたち紅の里がこれからも平穏であるためには要らない存在、約束を果たすために必要なだけの存在だ。だから、けっして仲間じゃない……。
「……紅き者、あなたは誤解してる。」
もう限界だ。あたしは大切な仲間たちに言い放った。
「道の里を、殲滅せよ!!」







こんにちはっ、みなみです!書けましたなぜか嬉しいです!!←
そして昨日話を整理しなおしたら~違う運命~が異常に長くなる予感がしました。はい。
……まあ頑張ります。先は長そうですけど。
あ、あとテスト返ってきたら数学二個あるうちの片方が赤点ギリギリwwwww←←
それに現社で『キチンの波』を『チキンの波』って書いてて自分で書いておきながら目が点になりました。
……頑張らなきゃなぁ(・_・;)
それではもう時間が無いネタも無い宿題終わって無いので、また来週……会えるといいですねww
2011.12.11 Sun l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (1) トラックバック (0) l top
48、水の中で                 ‐翠・美陽
『もう、何も奪わないでください。』
「……翠、大丈夫?」
えっ、と声のした方を見ると、藺草が心配そうに私を見つめていた。
「もしかして、さっきのこと?」
ううん、と首を振った私に藺草は納得いかないような表情を浮かべたが、追及しないことにしたようだ。
「じゃあ、もう一回注意を復唱して。そしたらいよいよ入るわよ。」
うん、と私は頷いて、言われた通りに復唱した。けれども、胸の奥はまだ痛かった。
 桔梗たちと別れてからすぐに、藺草は泳ぎ方を教えてくれた。といっても、今日は基本のバタ足だけだ。バタ足とは、右、左、右、左と足を上下に動かすだけの泳ぎ方だ。先に足だけ水に入れて練習したのだが、いつのまにか出来ていた。こんなの出来て当然、と藺草は言ったが、実は考え事をしていたせいで藺草の見本を見逃していた。だから私には不思議でならなかった。
 ……滄き女神は、何を奪ったのだろう……?
「よし、良いわよ翠。入って。ゆっくりよ、ゆっくりだからね。」
藺草の声に、私はまたどこかへ行きそうになっていた思考をなんとか引きとめた。目の前には水、水が広がっている。小さい頃から、なぜか好きだった水。いまではそれが、滄き女神の生まれ変わりだからだと分かる。つまり私は、滄き女神と同じなのだ。滄き女神が好きだったから私も水が好きで、滄き女神が何かを奪ったということは私も何かを奪っていて……。
 私はそおっと、水の中に入った。
「じゃあ翠、潜ってみて。えっと……、そのまま頭も水の中に入れて。」
言葉が分からないと思ったのか意味を説明してくれた藺草に、私はにこっと笑った。なぜなら、知っていたからだ。
 私は、水の中へ潜った。そして、眼を開けた。
 ……綺麗。私は心の中で思った。もうすぐ日が沈むため暗いのは否めないが、それでも薄く陽の光が世界を照らしていた。こんな景色、久しぶりに見た……。
『翠、翠!?大丈夫!?』
水の向こうで、誰かが呼んでいた。帰らなきゃ。それに、この身体だと息が持たないし……。
「……ぷはぁっ」
頭を水から出すと、藺草に怒鳴られた。
「馬鹿っ!溺れたらどうするのっ!?」
私は一瞬、きょとんとした。何で?だって私は……。そこまで考えて、私ははっ、とした。……私、今なんて言おうと思った?それに水の中で、なんて思ってた?
「……藺草、私、どうして?分かんないけど……確かに私は水の中に何度も潜って、綺麗で幸せで、でも私、今まで泳ぐことも潜ることも知らなくて、……どういうこと?なに、この気持ち?……なんで?さっきその、水の中で、私、何かを思っていたのに、自分のことなのに忘れて……、どこ、どこなのっ?」
分からなくて、思い出せなくて混乱する私の手を、誰かが握った。







お久しぶりですこんにちはみなみですっ。更新遅くてほんとすみませんっっ(汗
PCできたのに続き書けなかったりしてごめんなさい(・_・;)
でも一応部活もテストも学校行事も一段落ついたのでこれからは大丈夫・・・だと思います。はい。
ちなみに期末のテストはまだ返ってきて無いので次の数学の時間が怖いです。もちろん他の教科もですが。
ではそろそろ。頑張って来週も書き……ます!たぶん!←





コメント返信>
Asrecchi様>
 長らく返信できなくてすみませんでした。<(_ _)>
 相当ですか……ですよね。10センチはよく考えたら長いですよね。
 ……わあぁあぁぁっっ!?なんで気付かなかったんだろう私……。(・。・;
 ご指摘ありがとうございます!今後は気を付けます!
 でもこれまでのはひとまずこのまま放置しておきたいと思います。恥ずかしいですが。一応今の目標は書きあげることなので、完結してから全部訂正したいと思います。
2011.12.04 Sun l 紅滄 ~滄ノ運命~ l コメント (0) トラックバック (0) l top
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