上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- -- l スポンサー広告 l top
54、帰り道の話                 ‐翠・美陽
 闇に包まれた静かな帰り道は、私にとって初めてだった。紅の里では巫女館の周りだけで生活していたし、ハルさんたちと旅をしていた頃は、歩けなかったせいもあってほとんどずっと馬車の中で、歩けるようになってからも馬車の傍を歩いていた。だから、居場所へ帰る、なんて初めてだ。でも。
 ……私の本当の居場所は、一体、どこなのだろうか……?
「……ごめん、翠。」
「え?」
不意に沈黙を破った湊の言葉に、私は首をかしげた。何だろう。湊に悪いことなんかされてないけど……。そういう私の心を察したのか、湊はためらいながら言った。
「……柊と柳と松が来たとき、翠を守れなくて、ごめん。」
ああ、と私は納得した。私はもう頼ってはいけないと思ったけど、新しく里に来て、しかも紅き眼を持つ私はきっと湊にとって守るべき存在だったのだろう。特に、湊自身を『蒼眼』と呼ぶような人達からは。
「……あいつらは、学校にいた頃、僕をいじめていたんだ。」
湊がぽつりと言った。私はそうだろうと思っていたけれど、一つ疑問があったので聞いてみた。
「湊、聞きたいんだけど……、今日、藺草があの…ひやまだよね?を追い出したけど……学校にいた頃は違ったの?藺草がいたら、きっといじめなんか許さないはずなのに……。」
私の言葉を、湊は黙って聞いていた。そしてちょっと間を置いてから、ゆっくり話しだした。
「……藺草は、学校にいた頃はあんな風じゃなかったんだ。今の藺草になったのは卒業してから。でも詳しい話は藺草に聞いて。僕には藺草の話を勝手に語る資格はないから。それに、誰もあいつらのいじめを止められなかったのには、もう一つ理由がある。」
私はかすかに相槌を打ちながら驚いていた。藺草が、あの強くて優しい藺草が?
「……もう一つの理由は、三人のうちの一人、柳が、この里で大きな権力を持っている尾上(おのえ)一族の生まれだからだよ。」
「……え、それだけ?」
つい零れた言葉に、湊はうん、と頷いた。
「尾上一族は、遠い昔、蒼き者が初めて紅き者と戦ったとき、片腕としてともに戦った者を祖先に持っているんだ。だからその祖先の名を取って『尾上一族』と名乗ってる。そして祖先のおかげか、今までの蒼き者の多くは尾上一族出身なんだ。それで、彼らは昔からこの里で大きな権力を持っているんだよ。そう、やろうと思えばこの里を意のままに動かすことだってできる。柳はそれを知っていたから、好き勝手にしていたんだ。自分の思い通りにならなければ、親に嘘をついてそいつを懲らしめてやればいいんだから。」
「……ひどい。」
「でも、そういうことはもうないと思う。……藺草と忍のおかげで。」
え、と反射的に顔を上げると、湊が微かに笑っていた。どういうこと、と聞こうとしたとき、声がした。
「おかえり湊、翠。それとも、夕ご飯を食べないで話すつもり?」
梯子の上で待っている美葉さんの言葉に、私と湊は笑いながら駆けだした。
 ……今はまだ、きっと、ここが私の居場所だ。







こんにちは、みなみです!更新遅くてすみません……。<(_ _)>
昨日更新しようと思ったのですが気付いたら夕御飯の時間でした(汗
でも今日は高校の推薦入試の関係でいつもより早く帰れたのでもうこれは更新するしかないと思った次第です。←
そして気付いたら来週テストが……(苦笑)
頑張ります!勉強も小説も!ではそんなわけでまた今度www






コメント返信>
Aspecchi様>
 毎度毎度返信遅れてすみません……<(_ _)>
 出かけないけど家でゴロゴロ……って感じです。←←
 でも来週もうテストなんで頑張らなきゃなぁと。学年末ですしね。
 あぁ~、確かにそうですね。まぁ私はほとんどクイズ番組とアニメしか見ないんですけども(・・;)
 でも面白そうなものは心に留めておきたいと思います。
スポンサーサイト
2012.02.13 Mon l 紅滄 ~滄ノ運命~ l コメント (0) トラックバック (0) l top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。