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63、誘い                 ‐爛
 あたしは、岩の陰からゆっくりと立ち上がった。赤目も同様に立ち上がる。そして、ゆっくりと南側へと降りていく。と言っても、それは気付かれないためではないから、音を立てて進んだ。と、ようやく黄緑の髪の男が一人、こちらを振り返った。
「誰だっ!」
あたしは返事の代わりに微笑んだ。仲間の声に、髪が異なる者たちは次々に集まって来た。赤、青、金、黄緑。橙もいるし、水色もいる。あたしが黙って観察していると、その中の一人、赤い髪の男が口を開いた。一歩前に出ているから、おそらく長のような存在なのだろう。
「……その紅い眼は、紅き者だと察する。何の用だ」
思ったよりしっかりした声に、少しだけ安心する。後ろで、赤目があたしを見つめているのを感じた。
「ええ。確かにあたしは紅き者。あたしは、……この里を、滅ぼしに来たの。」
 静寂が、辺りに広がった。
 彼らも、本当は気づいていたはずだ。いくら蔑まれていたとしても、戦いの合図である三度の鐘の音は聞こえていただろう。それに、もし気づいていなかったとしても、今なら分かるはずだ。異様な静寂の中に響く、遠くの戦いの音が。
「……滅ぼすならば、わざわざ姿を見せずとも、弓で射ればいいはずだ。さっさと目的を明かすがいい」
あたしは思わず微笑んだ。道の里の民より、はるかに頭が良い。あたしなら、『異なる者』なんて隔てないで、迷わず仲間に入れるのに。
「……あなたたちは、この現状に、満足してる?」
この言葉を発した瞬間、全員がそれぞれ反応した。目を見開く者、にやりと笑みを浮かべる者、拳を握り締める者、震えだす者。いずれにせよ、何が言いたいのかは大体分かったようだ。
「もちろん、無理になんて言わない。もしかしたら、あなたたちが不満に思うこともあるかもしれない。でも、あたしはちゃんとあなたたちの言うことに耳を傾ける。分け隔てもしない。望みはでき得る限り叶えるようにする。だから」
「仲間になれ、と?」
赤い髪の男が、言葉を遮って続けた。あたしは、ゆっくりと頷く。ざわめきが辺りを埋め尽くし、人々が迷っていることを伝える。あたしはただ、待っていた。彼らの結論を。彼らが選ぶ、運命を。
 不意に、とある言葉が頭をよぎった。
『……わたしは、あなたを運命から救いたかったの。同じ様に運命に縛られた、預言者の神無月として。』
 ……あたしは、選べないの?
 漏れ出た疑問は、仲間の顔に打ち消された。
 違う。あたしは、仲間を守りたい、里を救いたいんだ。紅き者だから、紅き者の運命だからではなく、仲間の、里の民の一人として。
 その時、ざわめきがやんだ。赤い髪の男が、右手を上げたから。
「……紅蓮一族かつ全一族の代表として、皆に宣言する」
その男は、射るように、あたしを見つめた。あたしも、見つめ返した。
「我々は、紅き者には味方しない!」
再び、静寂が広がった。誰かの、息をのむ音が聞こえた。





こんにちは、みなみです☆
いやぁ、実を言うと期末テスト中なのに更新してます。でも勉強はそれなりにやってます!
今回も数学が泣きそうです(-_-;)
あ、あと前回言っていた読書中毒ですが、ちょっとは頑張って我慢してます(笑)
テスト期間中に読書>勉強になってる気はしますが←←
ではこの辺でまた次回(^_^)/~




コメント返信>
Aspecchi様>
 確か今年からだと思います。確か←
 でもまあ、修学旅行は入学当初から(もしかしたら入学前から)決まっているものだと思うので、変更も色々大変なんじゃないかなと思います。
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2012.12.01 Sat l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (0) トラックバック (0) l top
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