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65、時の一族                 ‐爛
「……理由を、聞いてもいい?」
あたしは表情を変えないようにしながら聞いた。正直、どうして断られたのかが分からない。彼らは、こんな生活をしていても、山の里を裏切らないというの?
 赤い髪をした男も、眉一つ動かさなかった。ただどこか、あたしを見る目が変わった。
「紅き者、理由などとうに分かっているだろうに。」
あたしは黙ったままでいた。男が、何を思ってあたしを見つめているのかを、見極めるために。そしてその男は、口を開いた。
「……我々は、負け戦になど味方しない」
負け戦。
「……あたしたちが、負けると言うの?」
「そうだ。所詮、多勢に無勢。勝てる見込みなど万に一つもない」
「そんなこと――っ」
「爛様」
赤目が静かにあたしを止める。男を睨みつけながら、あたしは唇をかんだ。確かにあたしたちは数が少ない。たったの八人だ。でも、その八人が道の里を滅ぼした。そしてこの八人が、これから山の里も、川の里も、風の里も、蒼の里も滅ぼす。そう、滅ぼさなくちゃいけないんだ。
 紅の里を、守るために。
「もうひとつ、良い事を教えてやる、紅き者。」
「……何?」
「我々が今このように生きているのは、山の里ではなく同胞の愚かな行動のためだ」
「愚かなんかじゃありません!」
男の、そしてその後ろにいる人々の顔が一斉に一方向を向いた。あたしは彼らを警戒しながら、そっとその方向に顔を向けた。どうやら、洞窟のある方だ。
 そこには、ひとりの少女が立っていた。燃えるような長く赤い髪、強く結ばれた唇、今にも泣き出しそうな瞳。その両腕は、大事そうに何かを抱えていた。
「……焔(ほむら)、お前は謹慎中だ、戻れ!」
「嫌です!」
焔と呼ばれた少女は、男の声に身をすくめながらも叫んだ。
「時の一族は愚かなんかじゃありません!薫(かおり)たちが何処かで生きていることは、むしろ希望です!」
「生きてなどいない!子供が二人、どう生きていくというんだ!」
「それはっ……」
焔という名の少女は言葉を失う。男は一回あたしを見てから、話し出した。少女を睨みつけたまま。
「……数年前、時の一族という者たちの一部が反乱を起こした。この里から自分たちだけ逃げ出そうともくろんだのだ。紅き者、今のお前たちと同じように、たった数人でな。だが当然、奴らは捕まった。唯一、子供が二人だけ逃げおおせたが、あの綺麗な金髪では、助けてくれる人もいないだろう。しかしそのせいで、我々は責任を負わされた。あいつらのせいで、我々はこんな生活を強いられた。全一族の代表として、憎んでも憎み切れない」
男は、またあたしを見た。今度は、あたしから目を逸らさなかった。
「だから、お前たちに力を貸しはしない!」








こんにちは、みなみです!
いやぁ、もうなんか現実逃避しまくってる三年0学期の今日この頃です(おい
1年後のことなんか考えたくもないです(-_-;)
でもそんなこと言ってる場合じゃない気がするのでちゃんと勉強始めようかと思います。はい。
あと、学校で空席がいつもより増えてる気がするので風邪には気を付けたいと思います!
ではまた次回!









コメント返信>
Aspecchi様>
受験生なんですよね……。
早めにやろうと思って今日まで来た感じです(泣←←
とりあえず、少しずつはじめていきたいと思います!
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2013.01.27 Sun l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (0) トラックバック (0) l top
64、名前                 ‐翠・美陽
「この世に存在するものには、全て名前がある。人も、動物も、植物も。そしてその名前は、そのものを表しているんだ。」
洗濯小屋に向かいながら、葵がそっと口を開いた。
「そのものを表す、って?」
「……例えば、月、と聞いて、何を思い浮かべる?」
「えっと……」
葵の問いかけに、私はどう表現しようか迷った。白くて、明るくて、丸いけどだんだん欠けていって……。やっぱり上手く説明できそうにない。だから、
「あれ。」
と空の一点を指さした。葵が見上げて頷く。
「そう。あれは月だ。でも名前がないと説明が難しい。だから名前がある。」
私は納得して頷いた。
「えっと、漆黒の髪で、瞳は蒼が混ざった同じ色で、灰色のマントを着ていて……って言うより、葵、って言った方が早いってことだよね?」
「……まあ、そういうこと。」
葵はなぜか妙な間を開けて答えた。
「でも、人の持つ名前にはもうひとつ、他の意味がある。」
「他の……意味?」
「そう。その人のことがひとつだけ分かるんだ。」
人の名前の、他の意味。その人のことが、ひとつだけ分かる。
 爛、茜、小豆さん、大巫女おばば様。碇さん、ハルさん、桃ちゃん、繭、有樹。湊、美葉さん、藺草、忍、瑠璃ちゃん、桔梗、蘭ちゃん、柊、松、柳、葵、そして美陽、翠。
 たくさんの人に出会って、たくさんの名前を知った。だからその名前を聞くだけで、誰だか分かる。でも、それ以上は分からない。行き止まりにたどり着いた時、不意に答えが降って来た。
「……名前は、その人がどの里の者か、あるいはどんな存在か、示しているんだ。」
「えっ?」
驚く私に、葵はゆっくりと頷いた。
「蒼の里は蒼き神と滄き女神にちなみ、蒼や草、水に関係する名前。紅の里は紅き女神にちなみ、紅や火に関係する名前。他にも、代々同じ名前の道の国の預言者や、……少し他の人とは異なる力を持った人々の名は必ず読み方が三文字とか。だから、その……紅き眼をもつ翠が、生まれた時から翠のはずはない、と思った。」
私は、思わず右手を眼に伸ばした。爛と同じ、紅き眼。
 美陽。美しい、太陽。
 翠。聞いたところ、蒼色の石で、読みが水の別の読み名と同じ『すい』。
「……最近は、名前のこの意味は、差別とされているんだ。だから風の里や川の里とかでは、関係なく名づけが行われている。でも、長い間続いてきたから、まだ消えていない。……誰もが初めから相手自身を見れる日は、まだ来ていない。翠には出来ても、みんなや、俺には、まだ。」
葵は私を見て、少し、悲しそうに微笑んだ。
「……ごめん。こんな話をして。」
 誰もが、私の紅き眼を見る。誰もが、私を『滄き女神』として見る。
 みんなにとって私は美陽でも翠でもなく『滄き女神』だったんだ。
 私は、黙って首を横に振った。







明けましておめでとうございます!みなみです!
……もう6日ですね(^_^;)
元日より七草粥の話題の方が近いです。まだですけど。
えっととりあえず、更新遅くてすみません<(_ _)>
テストやら、大掃除やら、宿題やら、続き書けないやら色々ありまして。
ちなみに宿題はまだ終わってません。やばいですね☆←←
まぁ今年も、更新は遅れそうです。受験生になりますので。泣きそうです……!
……頑張ろうと思います。はい。

では、今年もよろしくお願いします!!
2013.01.06 Sun l 紅滄 ~滄ノ運命~ l コメント (1) トラックバック (0) l top
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