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67、焔の覚悟                 ‐爛
 張り詰めた沈黙が、あたしと男の間に広がった。
 あたしはただひたすら考えた。――彼らが本当に、この戦いはあたしたちが負けると考えているのなら、また、この生活で憎んでいるのが山の里でなく同じ異なる力を持った仲間だとしたら、確かに加勢する理由はない。それどころか、生活を良くするためにあたしたちと戦う可能性がある。なら、やはり滅ぼす対象に、彼らも入れなければならない。……でも、どうやって。
 穢れたモノ。異端の力。
 彼らが持つ力が何なのか、知らずに攻撃するのは危険すぎる。もちろん、『時の一族』が山の里から逃げようとして結局捕まったことが事実なら、さほど強い力ではないかもしれない。けれど男は『紅蓮一族かつ全一族』と言った。男が紅蓮一族で、他にもいろいろな一族がいて、そして一族ごとに力が違う、という可能性は否定できない。いや、おそらくそうだろう。もしかしたら、髪の色も関係しているかもしれない。例えば男と同じ赤い髪の者は紅蓮一族で――そこであたしは気づいた。
 じゃあさっきの焔という少女は、目の前の男と同じ――……。
 火。
 突如目の前に現れた炎。驚いて数歩下がる。ほんの一瞬、ほんの短い間で点けられた炎は、勢いよく燃えあがり、あたしの背より高く踊る。しかも――なぜか炎は、彼ら異端の者を取り囲んでいる。
「焔、貴様だな!」
 男の声。それが合図だったのか、炎は一度に消えた。と共に、あたしの足元に水がどっと流れてくる。誰かがこの水を出して火を消したのだろう。……こうして、どこからともなく激しい炎を出せるのなら、或いはどこからともなく大量の水を出せるのなら、それはまさしく、――異端の力。
 神を冒涜する者。
「……焔、貴様、なぜ我々に逆らい、紅き者を味方する? お前は私と同じ――」
「紅蓮一族。炎という異端の力を持ち、神を冒涜する穢れたモノ。――そうです。そんなこと、ちゃんと分かっています」
 言いながら、焔は歩きだす。何かを、大事そうに抱えながら。
「なら何故」
「兄様」
 焔は泣きそうに微笑んだ。そして、――あたしの側に来た。
「私に……この子は殺せません」
 思わず焔の腕の中を見る。彼女が抱えていたのは――金の髪を持った赤子だった。
「……それは、我々を裏切った一族の血を引く子だぞ」
「それでも……私の子です」
 焔の、今にも涙が零れそうな瞳が、強い意志を宿し始める。
「たとえ、裏切り者の子と呼ばれても、たとえ、穢れたモノからも忌み嫌われても、それでも私はこの子を愛します。この子を守るために、命を懸けます。あの人の忘れ形見であるこの子を――晴(はる)を失わなければならない世界なら、世界の方が間違ってる。みんながこの子を亡き者にしようとするなら……私は」
 焔の瞳から、涙が一粒、零れた。
「どんな手を使ってでも……この里を、出ます!」
 まばゆい炎が、上がった。









こんにちは、再び若干の放置をしましたみなみです。
なんか……ほんとすみません……。
あ、大学の方は一応慣れてはきました。
と言ってもまだ一月ぐらいしか経ってないのでホント慣れるのに手一杯って感じでしたが(^_^;)
新しいことがいっぱいでいろいろ大変ですが、ちょっとずつ楽しさも見出せてきたかな、と思います。
あと密かに読書時間の減少が心配でしたが、通学電車内で読めばいいことに気付き無事解決。←
まあ、先も長いので、これからも油断せず(?)大学生活頑張ります!
そして紅滄も頑張ります!←
ではまた次回!












コメント返信>
Aspecchi様>
 ありがとうございます!
 そうですねー。個人的には、今まで完結した物語がほぼ皆無ということがあるので、やっぱり一度完結させたいなと思っています。
 
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2014.05.04 Sun l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (1) トラックバック (0) l top
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