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68、涙                 ‐翠・美陽
 洗濯はすぐに終わった。藺草と忍が丁寧に教えてくれたから、効率のいい洗い方も干し方も、ちゃんと覚えていた。紅の里にいた頃にこのやり方を知っていたら、どんなに便利だっただろう。それに、この服。濡れても簡単に乾くなんて、すごい。紅の里にも、あったらよかったのに。あったらどんなに、……爛が、喜んだだろうな。ううん、やっぱり喜ばないかもしれない。赤き女神は火の女神。水なんて、嫌いだろう。
 いつの間にか暗くなる考えに頭を振った。今は、そんなこと考えてる暇はない。……葵が、待ってる。
 ランプの明かりを消して、扉を開ける。そこには待っている葵――と。
「あっ、お姉ちゃん! もうっ、駄目だよこんなことしちゃ!」
 小さい体が、思い切り駆けてくる。その向こう、木から体を離した葵のそばには、腕組みをして立つ金の髪の少女。
「……え、瑠璃ちゃんに、忍? どうして?」
「それよりお姉ちゃん、水に入ったんでしょ? 瑠璃、駄目って言ったのに! ひどい!」
 疑問で頭がいっぱいの私に、瑠璃が抱き付き怒る。心なしか、離れたところにいる忍と葵も頷いた気がした。
「……ごめんね、瑠璃ちゃん。私……どうしても知りたくて」
「なんで! 変になっちゃうのに! お姉ちゃん、葵お兄ちゃんがいなかったらほんとに……」
 話すうちに、瑠璃の瞳に涙が溜まる。なだめる暇もなく、涙がぽろぽろと、零れる。
「お姉ちゃん、いなくならないで。お姉ちゃんがいなくなったら駄目。瑠璃、いい子でいるから。だから、いなくならないで」
「……瑠璃ちゃん」
 瑠璃が、私の服に顔をうずめて泣く。どうしたらいいか分からなくて、私はただ、瑠璃の名を呼んだ。
 『大丈夫』なんて、今は言えなかった。今、私は美陽だ。弱くて頼りない存在。そして、『大丈夫、いなくならないよ』なんて、……保証できないことを、知っている。
 ずっとずっと、一緒にいられると、思ってた頃は、もう、遠い昔のように、思える。
 だから、私は――。
「――大丈夫。瑠璃は、一人ではない」
 いつのまにか、瑠璃の頭を誰かが撫でていた。はっ、と顔を上げると、そこには忍がいた。片膝をつき、優しく瑠璃を撫でている。その表情も、どこか優しげだった。
「瑠璃は、多くの者に愛されている。誰も、瑠璃を一人にはしない。わっちも、藺草も、葵も、……翠も」
 そう言って、忍は顔を上げた。咎めるように、私を見る。
 私は、一人だったのに。
 不意に、そんな思いが込み上げた。反射的に、唇を噛みしめる。――言っては駄目だ、言ってはいけない。私は……辛く、なかった。
 淋しくなかった。
 そのとき頭にそっと、温かいものが触れた。それは――その手は少しぎこちなく、私の頭を撫でる。
『嘘をついて、自分を偽って、無理をして、『大丈夫』なんて……言うな。』
 涙が、零れる。拭っても、拭っても、あとからあとから零れていく。
 ――一緒にいたい。何回も、そう思った。爛と一緒にいたかった。碇さんたちと一緒にいたかった。別れるのは、淋しかった。一人でいるのも、とても、とても、
『大丈夫だよ、お姉ちゃん。瑠璃が、ここにいるからね。みんな、一緒にいるからね。』
「……一緒にいたい。私……瑠璃ちゃんと、みんなと、一緒に、いたい。今度こそ、……ずっと、一緒にいたい」
 弱弱しくて、かすれて、涙に交じって、聞き取りにくい、声。それでも、瑠璃が一瞬、抱きしめる腕を強めて、忍が微笑んだ気がして、そして、葵が撫でる手は変わらず優しくて。
 そうして私は、しばらく泣いていた。














こんにちは、みなみです!
……また放置しちゃったうわあああぁ\(゜ロ\)(/ロ゜)/←
とっくに……夏休みだったのに……。
久々すぎて、今までの流れをぶった切っていないか不安です(汗汗
それどころかあらすじ付けた方がいい、のだろうか……。
とりあえず、まだ先は長いので、なるべく更新したいと……毎回言っている気がする(爆
まあ、夏休みはまだ残っているので、その間に一、二回は必ず更新を! そして、できれば放置なんてしていなかったあの頃に……ってことでせめて月一更新を! は肝に銘じようと思ってます。
なんというか……中学二年生から書き始めたのに、まだ起承転結でいう「承」なんですよね……(遠い目

爛も翠も、様々な出来事に出会い、悩み、そして自らの運命を辿っていきます。
いつ完結するのかは分かりませんが、これからも彼女たちの物語を見守ってくださると嬉しいです。
















コメント返信>
Aspecchi様>
 本がないと生きていけませんから!(笑)
 それに通学時間がちょっと長いので、ずっと携帯はきついです。
 
 あ、私もそう思います。ただ私の場合、「読む>書く」になっている気がしますが……(汗
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2014.08.31 Sun l 紅滄 ~滄ノ運命~ l コメント (0) トラックバック (0) l top

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