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35、焚き火                 ‐爛
「ら・・・爛様。」
「何?」
あたしは手に持った地図から顔を上げずに言った。この声の主の茜は、びくびくしながら言った。
「ゆ・・・夕ご飯の時間です。もうみんな食べ始めているので、爛様も早く・・・」
「いらない。」
でも、と茜は食い下がった。それはそうかもしれない。あたしはあの日、大巫女おばば様に他の里を滅ぼすように言われてからほとんど何も食べていない。だけど不思議なことに、あたしは空腹を覚えないし、むしろ何も食べられない気がする。そう、どこか感覚が麻痺しているかのように。
「・・・爛様、明日戦おうって人が、どうして何も食べずして力が出るんですかっ!」
茜の声が、頭に響く。ああ、そうだ。ついに明日、あたしは主要の里の一つ、道の里を滅ぼしに行く。今あたしはそのために、計画で危ういところ、曖昧なところ、欠けているところを探し、よりよい計画を導きだそうとしていた。一つ間違えば、全てが終わる。そう、約束も、果たせなくなる。
「・・・茜、そろそろ諦めたら?」
「エンジ様の言うとおりだ。お前は一番小っこいんだから、何か食わなきゃ死ぬぜ?」
でも、とまた茜が言った。エンジさんと男たちの中で一番弓術が得意な鳶(とび)が来て、呆れたようにため息をついたのが聞こえる。
「茜、爛様は無敵の心臓を持ってるの。だから死にはしないわ。鳶の言う通り、さっさと夕ご飯食べて来なさい。今だって、灯様と朱鷺(とき)と桜実(おうみ)と赤目(あかめ)が残りを減らしてるんだし。」
「エンジ様・・・それは褒め言葉?」
あたしは地図を見ながらも呆れていた。無敵の心臓?あるとしたらそれは小豆さんぐらいだろう。
 ・・・小豆さん。
『爛様、・・・どうか、お元気で。』
数日前、また大巫女おばば様の命が出たのか誰もいない里を早足で抜け、南門、通称『繋ぎの門』を出るとき、小豆さんはそう言ってあたしたちを送り出してくれた。その声がどことなく寂しそうで、あたしは門が閉じて歩き出してからも、何度か振り返った。
 ・・・なんで、小豆さんは一緒じゃないのだろう?巫女の中で、もっとも武術に長けているのに・・・。
「・・・ーい、おーい、爛様っ!!」
あたしは相変わらず地図を見ながら「なに?」と返答した。これは桜実の声だ。
「・・・これ、灯様と朱鷺と赤目と俺から。さすがに何か食べないとさ。」
顔を上げると、そこには焼き鳥を持って、ニッと笑っている桜実がいた。その後ろには、心配顔の茜と、困ったように笑うエンジさんと、腕を組んで呆れた表情をしている鳶の姿があった。
「・・・ありがと。」
あたしは桜実から焼き鳥を受け取り、そう言った。少し気恥ずかしくて、慌てて地図に目を向けた。
 あたしには、仲間がいる。
 陽が、世界を暗闇にしても、あたしたちには焚き火があった。






こんにちはみなみですっ。今日は学校が早く終わったし、PCも起動したので更新できますww
あ~、なんか登場人物が一気に増えた(爆
それでどうなのかという訳ではありませんがキャラの特徴を描くのが下手なので(-_-;)
さぁ・・・来週も更新出来るんでしょうか(・。・;




コメント返信>
Aspecchi様>
 高校生活・・・多分なれました(おい
 避難は・・・うちの住んでいる県(市)はそんなに大きな余震は無かったので今のところ無いです。最近は特に無いです。どちらかと言えば家にいるときの方が揺れます(・_・;)
 
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2011.04.25 Mon l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (0) トラックバック (0) l top

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