上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- -- l スポンサー広告 l top
59、魔の山                 ‐爛
「……なんだか、不気味ね。」
あたしの言葉に、赤目が黙って頷いた。足の速度は変えていないはずだから、鼓動が速くなった気がするのは気のせいだろう。
 魔の山は、不思議なほどに音がしなかった。人がいないというのもあるだろうけど、周りに生えているねじ曲がった木々も、草がほとんど生えていない岩ばかりの地面も、時々感じるわずかな風も、普通ならかすかでも音を立てるのに、ここでは全く聞こえない。自分たちの足音だけが、やけに大きく響いていた。これでは、奇襲をするつもりなのに、逆に敵に見つかってしまう。
 不安なことは、もう一つある。それは、隠れる場所が少ないことだ。もうだいぶ来たのに、廃屋もないし、奇妙な木々は生えているといってもまばらだし、茂みもあまり見かけない。その上、川も流れていない。この魔の山に住む人々は、食料や水を、他の山からもらっているのだろうか?いくら罪人だとしても、それはいろいろと不便ではないだろうか。それとも……。
「……爛様、どうする?」
赤目の言葉に、あたしは速度を緩め、改めて考える。もちろん赤目が言っているのは、どう隠れるか、ということだ。この隠れ場所の無い魔の山が、反対側も同じだとすると、他の山からあたしたちの姿が見える可能性がある。たとえみんなが戦い、かつ注意を逸らしてくれているとしても。
 それでも、あたしは前に進まなきゃ。
「とりあえず、予定通りに行って考えよう。ここであれこれ考えていても仕方ない。」
赤目が黙って頷いたので、あたしはまた、足を速めた。
「……爛様」
「なに?」
辺りを警戒しながら、あたしは聞いた。本当は、話なんかしている場合じゃない。だけど、それは赤目にも分かっているはずだし、いつも寡黙な赤目が話すのは、誰にとっても大切な話の時だけだから。敵に見つかってしまっても、それでも赤目の話を聞きたかった。
「……信じていたことって、どうしてこんなに、脆いんだろう。」
「……信じていたこと?」
あたしが聞き返すと、赤目は頷く。
「自然も、里も、自分も、人も、人の心も、絶対に変わらないって思っていたものは、いつのまにか、或いは唐突に、変わっていく。……爛様は、どう思う?」
あたしはてっきり、この山の里を滅ぼす作戦についての話だと思っていたから、そんなことどうでも良かった。だけど、心のどこかで、何かが叫んでいた。
「『変わっていたとしても、受け入れて、また信じる。』」
言ってから、心のどこかの叫びをそのまま言っていたことに気付いた。ごまかそうとした時、赤目が立ち止まった。あたしもあわてて立ち止る。よく見ると、前方は、もう頂上だった。
「……僕が見てくる。」
そう言った赤目の背を、あたしは黙って見ていた。







こんにちは、みなみです!もう6月23日だと……!?←←
迷路から抜け出たはずなのにまだ迷ってたみたいです(^_^;)
まぁ、部活やらなんやらもあったんですけどね。
とりあえず、更新遅れてすみません<(_ _)>
そして、なぜだか更新するのがテスト前のことが多い気がしますが多分きっと気のせいです。
たとえ今日がテストの一、二週前だったとしても……(←勉強しろ
最後グダグダですが、頑張ります☆でも数g……何でもないです(-_-;)
ではまた次回!





コメント返信>
かなやのぶ太様>
返信遅れてすみません(汗汗
私も全然コメントしてなくてすみませんっ。
そうですね(^-^)
たとえいわれのない不安に悩まされても楽しみがいっぱいありますよねww
頑張ってください!私も今度の期末テスト頑張ります!
2012.06.23 Sat l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (2) トラックバック (0) l top
57、山の里                 ‐爛
 鳶によると、山の里は、別名『戦いの里』と言うそうだ。
 山の里は、四つの山から成り立っている。地図によると、紅の里に一番近い山が『守りの山』で、その後ろに『狩りの山』と『憩いの山』があり、その後ろが『魔の山』だそうだ。守りの山は、その名の通り山の里を守るための山で、軍と『砲台』という武器があるそうだ。山の里にとって紅の里は悪しき敵で、紅の里にとっても山の里は蒼の里の次の敵のため、長年戦ってきた。だから山の里は武器に力を入れているらしい。それから、狩りの山は食料を狩るための山で、憩いの山は里長や民などが暮らす場所だそうだ。唯一、魔の山だけ詳しく述べられてはいないが、たぶん罪人が隔離されて住んでいる山だと思う。
 数日前、あたしたちは里の民が祈っている中を足早で通り抜け、北の門、通称『痛みの門』を出て山の里に向かった。今回も小豆さんは里に残った。そのことについて大巫女おばば様に聞いてみたところ、
『小豆には里の外に出てもらっては困るのじゃ。』
と言っていたから、やはり大巫女おばば様の次に偉い巫女の小豆さんは、大巫女おばば様にとって、或いは里にとって大切な存在なのだろう。
「……爛様」
呼びかけられた声で、あたしは意識を戻した。隣で、赤目がこちらを見ている。
「ごめん、考え事してた。何?」
「……あの山」
山?と思いながらあたしは前を見る。
 あたしと赤目がいるのは、魔の山の真後ろの茂みだ。ちなみにエンジさんと桜実は憩いの山の東側、灯さんと朱鷺は狩りの山の西側、茜と鳶は守りの山の目の前で隠れている。本当はあたしと茜の場所は逆だったのだけれど、桜実が反対し、そのあと鳶も、そしてみんなも反対したのだ。もっとも、桜実は、
『爛様が守りの山にいるのは嫌な予感がするんだよな。』
と言い、鳶は、
『紅き者の爛様が守りの山にいるのは、山の里の奴らを激昂させるだけだ。やめとけ。』
と言ったのだけど。
「あの山……、魔の山が、どうしたの?」
分からないのでとりあえず聞いてみると、赤目は少し首をかしげながら言った。
「……本当に、人がいるのか……?」
「え?」
言われてみれば確かにそうだ。人の動く気配もしないし、何か建物が建っている様子もない。かといって、野宿ならばあるはずの煙も昇っていない。……地図は、嘘?それとも、罪人は、もう……。
 カーン、カーン、カーン……
「……鐘が鳴った。鳶と茜が戦い始めたんだわ。」
三回の鐘。地図によると、それは、戦いが始まった合図。
「じゃあ赤目、あたしたちも戦いを始めましょう。」
赤目が頷き、あたしたちは走りだした。







こんにちは、みなみです!!小説全然更新出来なくてすみません!!<(_ _)>
今朝やっと抜け出せた感じです。迷路から。←
という訳で山の里編(?)スタートです。ちなみに翠の方の話はもう既に考え付いていたので今回はこっちが足を引っ張った感じです。道の里らへんは翠の方だったんですが。
……いや、実質一番足を引っ張っているのはわたs(爆
そして、先週末から中間テスト始まりました(笑)←←
そして明日もあります☆(←いや、勉強しろよ。
でも数学のテストはもう終わったので明日はきっと大丈夫です。結果はさておき
長くなりました。ではまた次回!






コメント返信>
Aspecchi様> 
 ご心配おかけしました<(_ _)> もう大丈夫です。
まぁクラス替えは……元クラスの半数は同じクラスだったんで特に問題は無かったです。担任の先生も同じでした。
 私のあのネガティブの原因は自分でもよくわかりません(爆)時々同じように訳もなくそういう時期がありますので、何か……そういう体質なのかも(^_^;)
あーでもあの時期だったら……原因は進路のことか小説のことかも……(・・;)
 最後のアドバイス、ありがとうございます!発想の転換ですか……今度ネガティブになってきたらやってみようと思いますっ。
2012.05.20 Sun l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (0) トラックバック (0) l top
55、休息                 ‐爛
「ちょっと爛様、聞いて聞いてっ!!」
後ろから声がして、あたしは振り返った。見ると、エンジさんが茜を引っ張りながらこっちに走ってきていた。全く……、大巫女おばば様に報告したばかりなのに。
「……エンジ様、茜様、何?」
「何その態度は。ウチら、とびっきりの新情報を爛様に伝えにきたんだよ?」
何それ、とあたしは二人を疑わしげに見た。あたしたちは今、紅の里の巫女館にいる。そしてまた明日、山の里を滅ぼすために出発する。だからこれから、鍛練しようと思ってたのに。
「あのね爛様、……鳶、33歳だって」
「嘘っ」
聞き流そうと思っていたのに、思わず反応してしまった。にしても……え?
「ねー、絶対灯様と同じ25だと思ってたのに。茜は26だと思ってたみたい。爛様は?」
「……23歳。」
あはは、とエンジさんが笑う。茜も少し小さく笑う。つられて、あたしも笑う。
「……あ、年齢が分からないといえば小豆様よねぇ。ウチ、前から気になってたんだ。」
エンジさんの言葉に、あたしは思わず頷いてしまった。確かに、あの幾つとも見える外見と雰囲気は……。
「幾つだと思います?」
「わあぁっっ!!」
三人揃って声の主を見る。そこには、……小豆さんがいた。
「廊下を走っていたのを叱るつもりでしたが、これを当てたら免除しますよ。」
にこにこと笑って言う小豆さん。……ってことは、当たらない自信があるってこと?
「はいはいウチ、46だと思う!」
エンジさんが真っ先に言う。小豆さんは黙って笑っているだけだが、心なしか笑顔が怖くなったような。
「えっと……じゃ、じゃあ……27歳、ですか?」
茜がおずおずと言う。今度は心なしか優しくなったような。
「……えっと、33歳だと思います。」
あたしがなんとなく鳶の年齢を言うと、小豆様はため息をついて、微笑みながら言った。
「36歳です。」
えーっ、とエンジさんが叫び、茜は少し驚いたような顔をする。……鳶より三歳も年上だったなんて。
「はい、ではエンジ様と茜様は体操をしてから武練場を早足で20周、駆け足で30周してください。」
「えっ爛様は?」
エンジさんの問いに、ああ忘れていました、と小豆さんは笑う。
「爛様は一番近かったので、早足10周駆け足15周です。」
結局、あたしもか。少しがっかりしながら、でもあたしは笑って小豆さんに返事をする。
「はい、分かりました小豆様。」
この時の小豆さんの笑みは、いつもより優しく、そしてどこか切なく見えた。







こんにちは、みなみです!更新遅れまくっててすみません(汗汗
しかも連打しすぎて書いてないのに更新してしまいました……なので今書きなおしているんですけども。
……なんか久しぶりに書いたから爛やエンジさんの口調がおかしい気がします……(・・;)
やっぱり別の物語に現をぬかしていたからか……(-_-;)
そう言えば、ちょうど一年前にも私はブログを更新していました。……あれ?何か放置していたっぽい。
成長してないなぁ……(反省

明日、あの日から一年になります。思えばあの日、私は合格発表だったんですよね。
あの日から、たくさんのことがありました。震災に関係することも高校に関係することも。楽しいことも、辛いことも。
これからも、きっとたくさんのことがあると思います。だけど、この一年を乗り越えられたのだからきっとこれからも頑張っていけると思います。
最後に、東北の復興と、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。
2012.03.10 Sat l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (2) トラックバック (0) l top
53、帰り道の笑顔                 ‐爛
「……にしても、爛様かっこ良かったなぁ」
不意に桜実が言った。きっと沈黙に耐えられなかったのだろう。みんなそう思っていたのか、それぞれ頷く。ただ、あたしと茜は何も反応しなかった。
 道の里を滅ぼしたあたしたちは、紅の里へ帰る途中だった。果ての無い草原。その中をあたしたち7人は歩いていた。そう、7人。
『僕の逃げ道は考えなくていい。』
「……赤目……。」
つい口から零れたその言葉に、また沈黙が広がる。あたしはそれに耐えきれなくて、みんなより数歩、先を歩く。
 もしあたしが、もっとしっかりしていたなら。
 もしあたしが、もっと完璧な作戦を考えていたなら。
 もしあたしが……。
「爛様……大丈夫ですよ。」
急に声がした。見ると、いつのまにか隣に茜がいた。優しい、いつもの顔で。
「爛様、赤目はきっと、きっと大丈夫です。」
「……なんでそう、言いきれるの?」
あたしが聞くと、茜は分かりません、と一瞬顔を曇らせたが、またすぐにさっきの顔に戻った。
「……だけど、赤目様が自分で逃げられると言ったのなら、私はその言葉を、赤目様を信じます。」
 ざあっと、風が吹いた気がした。
「……茜様の言うとおりね。あたしも、赤目を信じる。」
たとえそれが、悲劇へとつながっても。あたしが微かに笑いかけると、茜もかすかに笑った。そのとき。
「……ありがとう。」
「……えっ!?」
あたしと茜がぱっと振り返ると、そこには赤目がいた。それどころか、赤目以外の全員が笑っている。朱鷺の笑い顔なんて初めて見た。にしても……赤目、いつ帰って来たの?
「ちょっとみんな、……どういうことっ!?」
混乱するあたしと茜に、エンジさんが代表して教えてくれた。
「先を歩いてる爛様に茜が追いついたあたりで赤目が来てさ。一番心配してた二人にドッキリ仕掛けようと思って。……っでもマジで二人最高。」
あはははは、とまた笑いだしたエンジにつられ、他の皆も笑いだした。あたしはむっとしたけど、なんだか楽しくなって結局笑ってしまった。茜も笑っている。赤目は笑ってはいなかったけど、いつもより少し表情が和らいでいる気がした。と、茜が赤目の手を握った。
「……おかえり、赤目様。」
「……ただいま。」
あたしは今、笑顔でいられることが最高に嬉しかった。






こんにちは、みなみですっ。近頃寒いですね~。
この寒い中で勉強する気とかおきません……←←
そんな昨日は模試がありました。二次関数で泣きそうになりました……。
でもそれ以外はいつもに比べれば出来ていたかなって感じです。
それではまた次回っ!!








コメント返信>
Aspecchi様>
 明けましておめでとうございます!こちらこそよろしくお願いしますっっ。
 う~ん……、どっちかって言うと私自分で時間を無駄にしていますけども……(-_-;)
 基本的にご飯とお風呂と空想と小説と部活と部活帰りの立ち話と宿題と勉強とテレビで放課後から夜の時間は成り立っていますからね(汗
 ……やはり立ち話とテレビの時間は削った方がいいのかも……(・_・;)
2012.01.22 Sun l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (1) トラックバック (0) l top
51、未来と運命                 ‐爛
 ビュンッ!と一斉に風を切る音がした。火が燃え広がり、人々の泣き叫ぶ声が聞こえる。もう蝋燭草はほとんど残ってはいないが、木でできた矢はそれ自体が炎と化して里を襲う。
「……それが、あなたの答えなのね。」
預言者が、落ち着いた声で言った。里がこんなに無残な姿になっているのに、どうしてこんなに冷静でいられるのだろう?動揺を隠しているのだろうか、それとも、……未来を夢見ていたのか。
「それならば、やはりあなたに未来は変えられない。」
「……どういうこと?」
「……未来というものは、あまりに不確実で、儚いもの。」
預言者は、真っ直ぐに、臆することなくあたしを見つめていた。
「だからわたしたち預言者が見るものは、あくまで預言であって明日ではない。わたしがあなたに伝えた未来も。」
現実になるとは限らない。あたしは、預言者が何を言いたいのか、よく分からなかった。美陽を殺せない未来があるとでも言うの?美陽との約束を果たせない未来が、あるとでも、言っているの?
「……もしあなたに未来を変えたいという意思があるのなら、変わるかもしれない。けれど、あなたが今のまま生きていくというのなら、未来は絶対となる。」
預言者は、あたしを諭すように言った。そんな預言者を、あたしは真っ直ぐ、見つめ返す。
「……変える必要なんてない。あたしが望んだのは、この未来よ。……約束を、果たせる、この未来。」
「たとえ遠い未来で、後悔しても?」
あたしは、頷いた。
「……ならば、わたしが言うことはもうない。茨の道であってもそれはあなたの道。逃げずに進んでゆけば、きっといつか運命は、未来は、あるべき方へと回ってゆくでしょう。」
「なぜ?」
あたしの声に、預言者は戸惑ったような顔をする。あたしはそのまま続けた。
「なぜ、そんなに平然としていられるの?それに、なぜあたしに、そんなことを話すの?」
預言者は、かすかに微笑んだ。……あたしの中で、その笑顔がやけに引っかかった。
「『預言者がいる限り、里は滅びない』という言葉を知っているでしょう?預言者がいる限り、この道の里は滅びない。現にあなたの里も、預言者がいたから滅びなかったはず。」
「死なないとでも?」
嗤いながら問うあたしに、まさか、と預言者は自嘲的な笑みを返した。いつのまにか悲鳴は途絶え、塔も燃え崩れていている。おそらく、もう預言者以外は。
「……わたしは、あなたを運命から救いたかったの。同じ様に運命に縛られた、預言者の神無月として。」
風に乗ったように声が届いた。はっ、として見ると、そこにもう預言者の姿はなかった。
 なら、あたしが運命から救ってあげる。
 あたしは矢を番え、放った。さっきまで、預言者がいた場所に。音は、火の音にかき消された。
 あたしの矢は、彼女に、彼女を縛る何かに届いただろうか。








こんにちは、みなみですっ!サンタさんは来ませんでした(^_^;)
まぁ、もう、高校生ですからね。はい。←←
そろそろ道の里編(?)が終わりそうですwww
もう前回で50話(?)でしたが何話まで行くのか……ある意味楽しみですww
ではまた今度!
2011.12.26 Mon l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (1) トラックバック (0) l top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。