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66、今だけは                 ‐翠・美陽
 私は、『新しい自分』になりたかった。
『もう、泣かないでよ美陽。笑って。』
 私は、一人でも生きていける、爛の親友の『翠』になりたかった。
 なのに……。
『もう、何も奪わないでください。』
『……ごめん。こんな話をして。』
「……翠?」
「えっ」
 後ろの方からためらいがちにかけられた声で、私は慌てて立ち止まった。視界を占めるのは、木の壁。
「……危なかったな」
 笑いを含んだ声に、私はやっと状況を理解する。もしかして。
「……私、壁にぶつかりそうになった?」
「もう少しで。怪我は?」
 葵に言われ、私は全身を確認する。といっても、激突する直前で止まったから怪我があるはずがないけれど。それからふっと気付き、数歩下がって壁を見てみた。そこには、学校で見た洗濯小屋と同じ建物があった。どうやら私は、到着して立ち止った葵に気付かず歩き続けていたようだ。
「……ごめんね、葵。心配掛けて」
 俯きながらそう言うと、ため息が返って来た。
「……俺のせいだから」
「え?」
「とりあえず、洗濯」
「あ……うん」
 頷き、私は小屋へと歩き出した。でもあることに気づいてはた、と立ち止まる。
「葵……待っててくれるの?」
 振り返った先には、木にもたれる葵の姿。
「……翠を一人にしたら危ない」
 ため息交じりのその言葉は、『翠』にとって嫌なものであるはずなのに、……嬉しかった。
「……それ、湊も言ってた……」
 ごまかすためにそう言うと、葵は一瞬、顔をしかめた。葵のその様子は、とても自然だった。
『嘘をついて、自分を偽って、無理をして、『大丈夫』なんて……言うな。』
 嬉しいのは、まだ、誰かに頼りたい自分がいるから。
 辛いのは、まだ、受け入れられない自分がいるから。
 なら、今だけは、『美陽』でいよう。
「……急いで、洗濯してくるね。だから」
「待ってる」
 葵の言葉に微笑んで、私は小屋へと歩き出した。











こんにちは、お久しぶりですみなみです!
長らく音沙汰なくてすみません<(_ _)>
三学期の謎の忙しさと続き書けない現象がタッグを組んで戦いを仕掛けてきたので……(汗
あと、ぶっちゃけ葵の口調がよくわからなくなってます←
とりあえず、今年(も)は更新がさらに遅くなるかもしれませんが(受験生なので……)、出来るだけ更新したいと思います!
あ、ちなみに昨日はエイプリルフールでしたが、私は嘘をつき損ねました(^_^;)←
ちょっと残念です……。

ではまた次回!
2013.04.02 Tue l 紅滄 ~滄ノ運命~ l コメント (2) トラックバック (0) l top
65、時の一族                 ‐爛
「……理由を、聞いてもいい?」
あたしは表情を変えないようにしながら聞いた。正直、どうして断られたのかが分からない。彼らは、こんな生活をしていても、山の里を裏切らないというの?
 赤い髪をした男も、眉一つ動かさなかった。ただどこか、あたしを見る目が変わった。
「紅き者、理由などとうに分かっているだろうに。」
あたしは黙ったままでいた。男が、何を思ってあたしを見つめているのかを、見極めるために。そしてその男は、口を開いた。
「……我々は、負け戦になど味方しない」
負け戦。
「……あたしたちが、負けると言うの?」
「そうだ。所詮、多勢に無勢。勝てる見込みなど万に一つもない」
「そんなこと――っ」
「爛様」
赤目が静かにあたしを止める。男を睨みつけながら、あたしは唇をかんだ。確かにあたしたちは数が少ない。たったの八人だ。でも、その八人が道の里を滅ぼした。そしてこの八人が、これから山の里も、川の里も、風の里も、蒼の里も滅ぼす。そう、滅ぼさなくちゃいけないんだ。
 紅の里を、守るために。
「もうひとつ、良い事を教えてやる、紅き者。」
「……何?」
「我々が今このように生きているのは、山の里ではなく同胞の愚かな行動のためだ」
「愚かなんかじゃありません!」
男の、そしてその後ろにいる人々の顔が一斉に一方向を向いた。あたしは彼らを警戒しながら、そっとその方向に顔を向けた。どうやら、洞窟のある方だ。
 そこには、ひとりの少女が立っていた。燃えるような長く赤い髪、強く結ばれた唇、今にも泣き出しそうな瞳。その両腕は、大事そうに何かを抱えていた。
「……焔(ほむら)、お前は謹慎中だ、戻れ!」
「嫌です!」
焔と呼ばれた少女は、男の声に身をすくめながらも叫んだ。
「時の一族は愚かなんかじゃありません!薫(かおり)たちが何処かで生きていることは、むしろ希望です!」
「生きてなどいない!子供が二人、どう生きていくというんだ!」
「それはっ……」
焔という名の少女は言葉を失う。男は一回あたしを見てから、話し出した。少女を睨みつけたまま。
「……数年前、時の一族という者たちの一部が反乱を起こした。この里から自分たちだけ逃げ出そうともくろんだのだ。紅き者、今のお前たちと同じように、たった数人でな。だが当然、奴らは捕まった。唯一、子供が二人だけ逃げおおせたが、あの綺麗な金髪では、助けてくれる人もいないだろう。しかしそのせいで、我々は責任を負わされた。あいつらのせいで、我々はこんな生活を強いられた。全一族の代表として、憎んでも憎み切れない」
男は、またあたしを見た。今度は、あたしから目を逸らさなかった。
「だから、お前たちに力を貸しはしない!」








こんにちは、みなみです!
いやぁ、もうなんか現実逃避しまくってる三年0学期の今日この頃です(おい
1年後のことなんか考えたくもないです(-_-;)
でもそんなこと言ってる場合じゃない気がするのでちゃんと勉強始めようかと思います。はい。
あと、学校で空席がいつもより増えてる気がするので風邪には気を付けたいと思います!
ではまた次回!









コメント返信>
Aspecchi様>
受験生なんですよね……。
早めにやろうと思って今日まで来た感じです(泣←←
とりあえず、少しずつはじめていきたいと思います!
2013.01.27 Sun l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (0) トラックバック (0) l top
64、名前                 ‐翠・美陽
「この世に存在するものには、全て名前がある。人も、動物も、植物も。そしてその名前は、そのものを表しているんだ。」
洗濯小屋に向かいながら、葵がそっと口を開いた。
「そのものを表す、って?」
「……例えば、月、と聞いて、何を思い浮かべる?」
「えっと……」
葵の問いかけに、私はどう表現しようか迷った。白くて、明るくて、丸いけどだんだん欠けていって……。やっぱり上手く説明できそうにない。だから、
「あれ。」
と空の一点を指さした。葵が見上げて頷く。
「そう。あれは月だ。でも名前がないと説明が難しい。だから名前がある。」
私は納得して頷いた。
「えっと、漆黒の髪で、瞳は蒼が混ざった同じ色で、灰色のマントを着ていて……って言うより、葵、って言った方が早いってことだよね?」
「……まあ、そういうこと。」
葵はなぜか妙な間を開けて答えた。
「でも、人の持つ名前にはもうひとつ、他の意味がある。」
「他の……意味?」
「そう。その人のことがひとつだけ分かるんだ。」
人の名前の、他の意味。その人のことが、ひとつだけ分かる。
 爛、茜、小豆さん、大巫女おばば様。碇さん、ハルさん、桃ちゃん、繭、有樹。湊、美葉さん、藺草、忍、瑠璃ちゃん、桔梗、蘭ちゃん、柊、松、柳、葵、そして美陽、翠。
 たくさんの人に出会って、たくさんの名前を知った。だからその名前を聞くだけで、誰だか分かる。でも、それ以上は分からない。行き止まりにたどり着いた時、不意に答えが降って来た。
「……名前は、その人がどの里の者か、あるいはどんな存在か、示しているんだ。」
「えっ?」
驚く私に、葵はゆっくりと頷いた。
「蒼の里は蒼き神と滄き女神にちなみ、蒼や草、水に関係する名前。紅の里は紅き女神にちなみ、紅や火に関係する名前。他にも、代々同じ名前の道の国の預言者や、……少し他の人とは異なる力を持った人々の名は必ず読み方が三文字とか。だから、その……紅き眼をもつ翠が、生まれた時から翠のはずはない、と思った。」
私は、思わず右手を眼に伸ばした。爛と同じ、紅き眼。
 美陽。美しい、太陽。
 翠。聞いたところ、蒼色の石で、読みが水の別の読み名と同じ『すい』。
「……最近は、名前のこの意味は、差別とされているんだ。だから風の里や川の里とかでは、関係なく名づけが行われている。でも、長い間続いてきたから、まだ消えていない。……誰もが初めから相手自身を見れる日は、まだ来ていない。翠には出来ても、みんなや、俺には、まだ。」
葵は私を見て、少し、悲しそうに微笑んだ。
「……ごめん。こんな話をして。」
 誰もが、私の紅き眼を見る。誰もが、私を『滄き女神』として見る。
 みんなにとって私は美陽でも翠でもなく『滄き女神』だったんだ。
 私は、黙って首を横に振った。







明けましておめでとうございます!みなみです!
……もう6日ですね(^_^;)
元日より七草粥の話題の方が近いです。まだですけど。
えっととりあえず、更新遅くてすみません<(_ _)>
テストやら、大掃除やら、宿題やら、続き書けないやら色々ありまして。
ちなみに宿題はまだ終わってません。やばいですね☆←←
まぁ今年も、更新は遅れそうです。受験生になりますので。泣きそうです……!
……頑張ろうと思います。はい。

では、今年もよろしくお願いします!!
2013.01.06 Sun l 紅滄 ~滄ノ運命~ l コメント (1) トラックバック (0) l top
63、誘い                 ‐爛
 あたしは、岩の陰からゆっくりと立ち上がった。赤目も同様に立ち上がる。そして、ゆっくりと南側へと降りていく。と言っても、それは気付かれないためではないから、音を立てて進んだ。と、ようやく黄緑の髪の男が一人、こちらを振り返った。
「誰だっ!」
あたしは返事の代わりに微笑んだ。仲間の声に、髪が異なる者たちは次々に集まって来た。赤、青、金、黄緑。橙もいるし、水色もいる。あたしが黙って観察していると、その中の一人、赤い髪の男が口を開いた。一歩前に出ているから、おそらく長のような存在なのだろう。
「……その紅い眼は、紅き者だと察する。何の用だ」
思ったよりしっかりした声に、少しだけ安心する。後ろで、赤目があたしを見つめているのを感じた。
「ええ。確かにあたしは紅き者。あたしは、……この里を、滅ぼしに来たの。」
 静寂が、辺りに広がった。
 彼らも、本当は気づいていたはずだ。いくら蔑まれていたとしても、戦いの合図である三度の鐘の音は聞こえていただろう。それに、もし気づいていなかったとしても、今なら分かるはずだ。異様な静寂の中に響く、遠くの戦いの音が。
「……滅ぼすならば、わざわざ姿を見せずとも、弓で射ればいいはずだ。さっさと目的を明かすがいい」
あたしは思わず微笑んだ。道の里の民より、はるかに頭が良い。あたしなら、『異なる者』なんて隔てないで、迷わず仲間に入れるのに。
「……あなたたちは、この現状に、満足してる?」
この言葉を発した瞬間、全員がそれぞれ反応した。目を見開く者、にやりと笑みを浮かべる者、拳を握り締める者、震えだす者。いずれにせよ、何が言いたいのかは大体分かったようだ。
「もちろん、無理になんて言わない。もしかしたら、あなたたちが不満に思うこともあるかもしれない。でも、あたしはちゃんとあなたたちの言うことに耳を傾ける。分け隔てもしない。望みはでき得る限り叶えるようにする。だから」
「仲間になれ、と?」
赤い髪の男が、言葉を遮って続けた。あたしは、ゆっくりと頷く。ざわめきが辺りを埋め尽くし、人々が迷っていることを伝える。あたしはただ、待っていた。彼らの結論を。彼らが選ぶ、運命を。
 不意に、とある言葉が頭をよぎった。
『……わたしは、あなたを運命から救いたかったの。同じ様に運命に縛られた、預言者の神無月として。』
 ……あたしは、選べないの?
 漏れ出た疑問は、仲間の顔に打ち消された。
 違う。あたしは、仲間を守りたい、里を救いたいんだ。紅き者だから、紅き者の運命だからではなく、仲間の、里の民の一人として。
 その時、ざわめきがやんだ。赤い髪の男が、右手を上げたから。
「……紅蓮一族かつ全一族の代表として、皆に宣言する」
その男は、射るように、あたしを見つめた。あたしも、見つめ返した。
「我々は、紅き者には味方しない!」
再び、静寂が広がった。誰かの、息をのむ音が聞こえた。





こんにちは、みなみです☆
いやぁ、実を言うと期末テスト中なのに更新してます。でも勉強はそれなりにやってます!
今回も数学が泣きそうです(-_-;)
あ、あと前回言っていた読書中毒ですが、ちょっとは頑張って我慢してます(笑)
テスト期間中に読書>勉強になってる気はしますが←←
ではこの辺でまた次回(^_^)/~




コメント返信>
Aspecchi様>
 確か今年からだと思います。確か←
 でもまあ、修学旅行は入学当初から(もしかしたら入学前から)決まっているものだと思うので、変更も色々大変なんじゃないかなと思います。
2012.12.01 Sat l 紅滄 ~紅ノ運命~ l コメント (0) トラックバック (0) l top
こんにちは、みなみです☆
もしかしたら来週書けないかもなのでそうするとまた更新が遅くなってしまうので今日は日記です!
え、小説?……すみません、書けてないです(-_-;)

なんか最近本の読みすぎでやばいです(笑)←
なんていうか、自己制御力が読書欲に負けるみたいで、勉強とか睡眠を削って読んでる気がします(爆
……だって、続きが気になるんだもん……。
でも空想してる時間も削ってる気がするのでそろそろ本気で対策練りたいと思います←
あ、だから紅滄が行き詰るのか(違います

前回ちらっと言いましたが、十月に修学旅行行ってきました!
行先は沖縄です。半袖で満喫しました。美ら海とか。
……ですが、帰ってきてから立て続けに部活の大会。=休みが無い。
ということで、温度差に軽く熱出しました☆←
でも大会期間中に治りましたwww
今後気温が違う所に旅行に行ったら気を付けたいです。

どうしようもない事実と、反論する自己愛。
ぐるぐる、ぐるぐる、回る思考。
被害妄想が耳と目を襲って、懐疑に満ちる。
どうして?どうして私は何もしない?
事実も、反論も、思考も、懐疑も、壊せば終わりなのに。
そんなの分からないよ、分からないけど、エンドは来る。
過去に囚われたものに、未来は創れない。


短い気がしますが時間が無いのでこの辺で(^_^)/~
また次回!





コメント返信>
Aspecchi様>
そうですよね。学校でも急に膝掛け女子が増えました(^^)
はい!ほんとにありがたいし嬉しいです。
でも、三ヶ月放置はマイペースにもほどがあるので(^_^;)
2012.11.17 Sat l 日記 l コメント (1) トラックバック (1) l top
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